瞼を閉じながら
目を開けているこの感覚ってなんだ?
あまり長くそこにいると、どんどん深いところへいってしまいそうで目を開けるけど。
怖くはないし、見たくないわけでもないんだけど
いつも深みに気づいたら そこでやめてしまう。
なんだろうこれ。
深く深いところの、もっとその先。
なにがある……というより
もう知っている気がしてやめた。
私には、前世や過去世を見る力はないんだけど
感覚だけなら分かるから
きっと深く深いその先には
それらがあることも知っていて
見ようと思えばいつでもできるんだと思う。
久しぶりになんか嫌だと感じた。
たかが茶っ葉をぶちまけただけで、酒の力を借りなきゃいけないほどのことでもないのに。
なんかいる。
見てほしいのか。
この感覚はなんだ。
まるですべてが手遅れのような
心が静かに停止していくような
こんな感覚を私は知らない。
こんな酒の使い方を私は知らない。
私の場合
なにかが見えたりするわけじゃないんだけど
同調したり当てられたりと、自分を見失うことが多々ある。
面白半分に片足突っ込めば、ろくな結果にならないことも経験したから、今は自分から足を踏み入れるようなこともしたくはないのだが。
でもこれは、“今”だと言う。
“今”だから出てきたのだと。
なにかが、今の私を選んで訴えていることには気づいたけど。
なんか嫌だ。今はそういうのしたくねえ。
今、せっかく日々が楽しいんだ。
本当に楽しくてしょうがねえんだ。
なんで放っておいてくれない。
…今なのか。
どうしても今じゃなきゃ駄目なのか。
この感覚はなんだ。
酒は万能じゃねえ。
嫌なことを忘れられても、そんなのただの仮初めだ。
逃げるのもいい。だが覚えておけ
どこへ行ったって逃げられやしねえよ。
逃げれば逃げるほど追い詰められる。
それに気付いた者から、腹括るか壊れるんだ。
なんで今、こんな文章が出てきたんだろう。
きっと私は考えたくなかった。
だから酒なんだろ。今日に限って。
近いうちに、きっと私は
きっとなにかを思い出すだろう。