左目から見た世界

好きに生きるわ。

寂しさの正体 3

もう一人ではどうにもならないところまで来ている。

助けを求めたい。

カウンセリングに行きたい。


……そう思いながら、私はカウンセリングに行くのを躊躇っていた。


警戒していた。

ちょっと私の話を聞いただけの人に、「ご主人のことを分かってあげなきゃ」とか

「それじゃ自分が辛いでしょ?」とか

何も知らないくせに分かった風なことを言われるんじゃないかと思って、行かなかった。

そんなことを言われたら、きっと発狂する。

正気を保っていられる自信がない。

そんなこと、誰にも言われたくない。

だから行かなかった。


でも、ふと思う。

カウンセリングに行かなくても、私はもう答えを知っているじゃないか。


優しくしてほしい。


そう、私は、優しくして欲しいんだ。

私の言うことを、駄目って言わないでほしい、間違っていると言わないでほしい

否定しないでほしい、ただただ笑って頷いてくれるだけでいい。


その時、思った。

私は、自分が母親にされたかったことを

夫にやらせようとしていたんだ。


あの日、笑ってくれた顔が忘れられなくて

私の話を聞いてくれたのが忘れられなくて

お母さんにしてもらえなくて寂しかったこと

この人ならしてくれるんじゃないかと思って

勝手に期待して

勝手に裏切られた気になって

勝手に傷ついて

期待していた分、これまでの我慢が一気に吹き出して

泣きたくても泣けなかった分、溜め込んだ感情を抑えきれなくて

それが発狂という形で現れたんだ。


“私”はずっと

ずっと押さえ付けられながら訴えていたんだ。



もう限界だ

寂しいんだよ

気づいてくれよ

いつまで我慢させるんだよ

いつまで気づかないでいるつもりだ

優しくない母さんも夫も嫌いだけど

こんなに苦しいのに気づいてくれない自分の方がもっと嫌いだ

これ以上は無理

心が壊れる

これ以上無理させるなら

自分から心を壊してやる

壊れそうな心を維持しようとするから苦しいんだ

いっそ壊れた方がマシだ

いっそ壊れてしまえ

もう聞かない

お前の言うことなんか聞かない

ずっとずっとずっとずっと泣きたかったんだ

泣きたいのに泣かせてくれなくて

どれだけ辛かったか分かっているのか

もう壊してしまえ

全部壊れてしまえ

夫も今の生活も人間関係も自分自身も

みんなみんな壊れてしまえ!

どうなっても知るか!



苦しみに気づかなかった私への、激しい憎しみが押し寄せてくる。

私は

自分が何を望んでいるのか分かっている。


私はただ

優しくして欲しかっただけなんだ。

他の誰でもない

自分に。



「辛かったね。

母さんも、夫も、本当に欲しいものだけはくれなかったね。

私も

どうやって伝えればいいか分からなかったよね。

どうにかして伝えようにも、余計に誤解されてばかりで

必死に伝えようとすればするほど追い詰められて、死にたくなるほど悲しかったね。

家に笑顔がないだけで、こんなに不安を感じるものなんだね。

ここにいていいと、思えなかったよね。

どこにいたらいいか分からなかったよね。

辛くてたまらなかったね。

ただ、優しくして欲しかっただけなのに。

自分が一番、自分に優しくなかったね。

ごめんね。

本当にごめん。」



自分に向けて、言葉を口に出して言い終えた途端

これまでの発狂とは違う涙が、両目からボロボロと溢れていった。


お母さんが、夫が、私に優しくないとばかり思い込んでた。

でも、本当に優しくないのは、彼らじゃなくて

本当に優しくないのは、自分だった。


こんなに泣き叫んでいる自分を、私は必死に無視してた。

存在を認めていなかった。

自分が一番自分を無視してた。

自分を一番虐めてたのは、誰でもない私自身だった。


それに気づいて

私は自分を無視することをやめた。

受け入れることがどんなに辛くても

「居る」と、認めた。

どんな自分も。

どんなにぐちゃぐちゃでドロドロしていても

それが自分なら、二度と置いていかない、必ず連れていくと、自分に約束した。

どんなに時間がかかっても

必ず自分を全て見つけると、そう約束した。


こんなに泣き叫んでいる自分を

私は二度と一人にはしない。



その日から、私の発狂は治まった。

やっと夜に一人で眠れた。


発狂は治まったが、治まってからしばらくは、急に泣きたくなることもよくあって

その度に私は、湧き起こった感情は我慢せずにその場で開放している。

約30年間溜め続けてきた涙だ、そう簡単に枯れるとは思っていない。


急に泣き出したい自分を、私は悪いと思わない。

泣きたいときは泣かせてやりたい。

もう我慢させたくない。

もう、あんな辛い思いは

二度と自分にはさせたくないから。


優しい言葉を期待しても、母や夫は与えてくれない。

こればっかりは、いくら期待しても無理なのだ。

自分を変えることはできても、人を変えることはできない。

自分の意思で自分が変わることはあっても

その影響で人が変わることはあっても

自分が直接相手に働きかけることはできない。

しない方がいいのだ。

相手をコントロールしようとしない方がいい。

だから私は上手くいかなかったのだ。

だから母にも夫にも誤解されて、自分の思いが何一つ伝わらなかったのだ。

相手はただ、自分の思うようにしているだけ。

ならば私は、自分が一番してほしいことを、自分にしてあげようじゃないか。

優しくしてほしいなら、私が自分にめちゃくちゃ優しくしてやればいい。

自分だから遠慮はいらない。

めちゃめちゃのぐちゃぐちゃに甘やかしても誰にも関係ない。

誰も困らない。

自分も困らない。

ただ自分が幸せなだけ。


自分には一番優しくしていいんだ。


その方がよっぽど、毎日幸せな気持ちで生きられる。


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傘に止まったセミ

もうすぐ死んじゃうだろうな…



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