ハーゲンダッツだけじゃお腹が空くので、売店でおにぎりと味噌汁を買って食べた。
医者に私一人だけ呼ばれた。
この状況だけで察しはつく。
母さんがいよいよ末期がん最後の状態に近づいていると宣告された。
内側から刺が生えたような痛みを感じる。
さすがに覚悟していたけど、やっぱりそういうの聞くのは嫌なんだなぁ。
全身で医者の言うこと拒否してる。
それが医者の仕事だと分かっていても、敵意をぶつけたくなる気持ちはどうしても湧く。
やり場のない思いってやつだろう。
お門違いだと分かっていてもぶつけたいと思う。
しないけど。
自分の思いを言っていいなら
そりゃ生きていてほしいに决まってる。
生きてほしい。
お願い、いなくならないで。
だけど私に許されるのは
"思う" ことだけ。
そこで踏みとどまるんだ。
我慢できずにぶつけてしまう前に
私はいま自分が一番やりたいことをする。
お母さん、私ここで遊んでいてもいい?
お世話ひとつできないし
なんの役にも立たないけど
私ここに居たいからいる。
仕方なくここに居るんじゃないよ
ここに居たいから居る。