太陽おうし座の人は
豊かさとは何かを知っている者で在ろうとする人。
おひつじ座が切り開いていった場所は、確かに危険も多かったけれど
何が危険か、どこに支障かあるか分かるや否や、多くの人がそこを通り、土は固まり道となった。
私はそこで歩みを止めて
じっくりその場所を味わってみた。
おひつじ座の皮膚を切り裂いた枝には、青く輝く葉が生えていて
目を閉じれば鳥のさえずりが、耳の奥で心地良く響いた。
肌で感じる光の暖かさに驚いたり
花によって微細に香りが違うことにも気がついた。
歩みを止めなかった時には、何もかもが一瞬で通り過ぎるから
そんなことも分からなかった。
私は自分の周りに、心地いいと思うものを集め始めた。
川を触り、木の実を食べた。
私は何を感じるの?
私にとって冷たさは、心地良い? それとも悪い?
木の実の甘さは、私は好き? 嫌い?
自分の肉体が感じる感覚全てを使って、私は私の好きと嫌いを確かめた。
私は、自分にとって何が心地良くて、何が心地悪いとか
私は何が好きで、何が嫌いとか
私は何を美しいと思い、何を美しくないと思うとか
そういうことを知っていることが、とても豊かだと思うのよ。