今日もどこかで生きている

生まれてきてよかったと思える人生を。

今日もSNSのどこかでお会いしましょう。

Tumblr 3年前、「もうブスやめたい、可愛くなりたい」、そう言ったブスは

2019年9月


自分の容姿が嫌いで

写真に映るのも撮られるのも嫌いで

撮られるリスクを避けるために

率先してカメラマンを買って出ていた女が

初めて自分を撮って

とあるアプリに自撮り写真を投稿した。






今からおよそ3年前

これが精一杯の「盛り顔」だった。


カメラを向けると

表情が強張る。

どんな顔をしたらいい?

笑えばいい?

でも私、自分の笑った顔が嫌いなんだ。

目が細くて気持ち悪いって思うから

笑いたくない。





目が細まるのを恐れて

めいいっぱい目を開いて

口元だけ笑おうとしてる。


まだアプリで

顔面加工ができることも

小顔にできることも

肌補正でクマが消せることも知らない。


これがこの時の精一杯で

この写真がいつか

「なんでこれがいいと思ったんだろ?」

と思うような、黒歴史になることを

私はこの時、すでに知っていた。





2020年1月


去年の9月に自撮りチャレンジしてすぐに

YouTube動画配信を始めて

ユーチューバーみたいなことをやり始めた。

(みたいな、ではないか)


この時は「動画撮影に慣れるため」

と言いながら

ほぼ毎日動画を撮って公開していた。


※この頃の動画は削除しています。


動画で話していた内容は

ほぼ日常話で

為になる内容はほとんど無かったけど

その中で

「もうブスやめたい、可愛くなりたい」

って、こぼしたことがあった。



私は心底うんざりしていた。

私はいつまで自分をブスって言い続けるんだろう。

死ぬまで?

死ぬまで自分をブスと思い続ける人生の何がいいの。

辛いだけ

疲れるだけ。

私はいつまで自分をブスのまま放置して

可愛くなりたい本音を無視し続けるつもりなんだろう。

そんな自分、好きじゃない。

好きになれない

無理。


もうほんと無理

自分にブスブス言われ続ける人生なんて

今すぐ辞めたい。


可愛いって言われたい。

自分に可愛いって言われたい。

可愛いって思われたい

自分に可愛いって思われたい。



今までロクに化粧もしないで

髪はボサボサすっぴんで

「私可愛いでしょ?」

「可愛いって思いなさいよ!」

って、

可愛くなる努力もしないで

無理やり可愛いと思い込ませる圧を自分にかけて

そんな自分が嫌になった。



最初は分かんなくていい

失敗してもいい

お金の無駄遣いになってもいい。

だから

化粧品を買おうと思った。

ドンキに行って

いくつか化粧品を買って

化粧品をポーチに入れて

自分の化粧道具を手に入れた。



正直、嬉しくなかった。

これで可愛くなれると思えなかったし

化粧するだけで可愛くなるなら苦労しないと思ってた。




それからすぐに

ヘアアイロンをして

化粧をして

動画を撮影するようになった。



化粧した自分の顔は

すっぴんよりはマシかも?と思うくらいで

まだ可愛いとは思えない。

面倒くさいと思う気持ちのほうが勝ってた。


自分で化粧やってみて

少しだけど分かったことがある。

可愛い子や綺麗な人が

毎日どれだけの努力をしているのか

少しだけど想像することができた。


可愛くいるって

綺麗でいるって

とてつもない努力と

日々の積み重ねが必要で

朝早く起きて

化粧に1時間かけるのが普通な人も、きっといっぱいいて

人によっては運動や

カロリー制限していたり

エステに行ったり整形したり

高い化粧品や服を買ったり

目が飛び出るほどのお金をかけて

そうやって努力しているんだ。


それに引き換え、私は何をしただろう?

何もしてない。


元がどんなに綺麗な人でも

何の手入れもしなかったら

毛だって生えるし

髪はボサボサになるし

肌もたるむし

体型も崩れるのに

元から別に綺麗じゃない私が

何の手入れもしなかったら

野暮ったくなるのは当たり前で

ブスに還るのはごく自然なこと。


私はアラフォーになってようやく

今、自分がブスであることは

当たり前でごくごく自然なことだと分かったんだ。




2020年8月


Instagramの画像編集だけでなく

SNOWで顔面加工・修正ができることを知った。


知った理由は

ある人の、Instagramに載せている自撮り写真と

同じくInstagramに載せている、動画に映ったその人が

「別人か!?」

と思うほど、顔の大きさも目の大きさも

ほうれい線も毛穴の有無も

全然違ったから。


誰から聞いたか忘れたけど

Instagramに自撮りを公開している人のほとんどが

自撮りの顔を加工・修正していて

撮ったそのままの写真を載せている人なんていないよと

あとで聞いた。


それを聞いてもしばらくは

自撮り顔をSNOWで加工するのに抵抗があった。


怖かった。

加工して綺麗になったら

ますます現実の顔が嫌いになって

ますます自分のことが嫌になるんじゃないかと

不安だった。


だからこの時は

ちょっとだけクマを消す

ちょっとだけシワを消す

毛穴は……毛穴だけは思いきり消してみようかな。

くらいの加工にとどめて

あまり画像と現実のギャップが広がらないよう

まだまだ抵抗していた。


現実はたるみ毛穴に悩んでいたけど

画像では毛穴レスで

悪い気はしなかった。


この頃になると

画像の自分にも見慣れてきた。


この頃になると

現実の顔がどうとか

画像の顔がどうとか

正直どうでもよくなっていたかも。


どっちも自分

どっちも本当


そんな意識が

あったかもしれない。





2020年11月


こんな私もついに

「思いきった加工、やったるか!」

と、奮い立った。


だって羨ましかったんだもん

色んな人のインスタを見て

加工・修正しまくりでも

その人のページには

可愛い、綺麗なその人の写真が

盛り盛り増えてってさ。


こんなの

時間が経って過去になっちゃえば

「あの頃の自分、こんなでした〜!」

って言っても

信じちゃうじゃん。

その人の今を知らない、

時間が経った未来でその人を知った人ならなおさら

残された画像が真実じゃん。


こんなの

可愛い写真を残したもん勝ちじゃん。



あ〜もう

やめた!

現実はどうとか

実際はどうとか

そんなものにこだわって

律儀に現実の顔を残して

今私が死んだらさ、

その写真を遺影に使われるかもしれないんだよ?

現実の顔を残したばかりに

可愛くない写真が飾られてしまうかもしれないんだよ?

加工した可愛い顔の写真を残していれば

そっちを遺影に使ってくれるかもしれないのに!



だから

私はもう

加工修正した自分を実際として

可愛い顔の自分の写真をたくさん残すことにする!

もし誰かの記憶に私の表情が残るなら

可愛い顔で残りたい!


そう思うの

変じゃない

女なら普通!

可愛く見られたい

そう思って可愛い写真残すの

普通だから!


(こういうとき、キレて自分を奮い立たすw)





一度思いきった加工画像載せたことで

ちょっとふっ切れた。

クマは消し

シワは消し

毛穴消し

可愛いと思える理想の顔に

あとは近づけるだけ近づくだけ!


壽屋のハンドメイドマスク着用や

雑貨を持ったイメージ

私がモデルをするんだと意識しながら

ポーズまで取るようになった。




たまにこんなの載せながら(笑)



そしてついに



2022年6月


ここまできた。




嘘だ

信じられない。



これが






こうなるなんて






よくあるビフォーアフター写真だけど

自分の人生で起こるなんて思わないじゃん。





そして今






およそ3年前

「もうブスやめたい、可愛くなりたい」

そう言ったブスは


画像加工の力を借りながら

真っ直ぐにカメラのレンズに目を向けていた。





いっぱい自撮りを練習しました。

今もしています。


☆Tumblr


誰も見ていないところで練習していたけれど

もう見せてもいいかな、と思えたので

紹介します。