私が1〜2歳で
年子(たぶん)の妹もそれくらいだった時
私は妹の頬をストーブに押し付けて大火傷を負わせたらしい。
その時の私の気持ちなんて分からないから
なぜそのような凶行に走ったかなんて分かりようがない。
死ぬまで分からないか、死ななきゃ分からないと思ってた。
それがいま、急に分かった。
まだ1〜2歳の子供に物の善悪なんて分からないだろうから
妹の頬を押した先にたまたまストーブがあって、それで火傷を負わせたのかなと思ったけどとんでもない。
私は本気で妹を消そうとしていた。
分からなかったのは物の善悪じゃなく
隣にいるこの子が血の繋がった家族とか、実の妹であるとか、そういう関係性。
まだ1〜2歳の私の目には、妹という存在は、ある日急に現れて、私のものを奪ったり壊したりしていく恐怖の存在だった。
今まで私に向けられていた視線や愛情
特別な思い
私にとってそれは大事なものなのに
いきなり現れたかと思うと私から全部奪っていく。
だから私は、目の前のこの存在がただひたすらに憎かった。
これ(ストーブ)に当たると熱い、痛い、それは分かっていた。
だから押し当てて消そうとした。
心の中で叫んでた。
大人たちには
「この子を特別扱いしないで!!」
この子には
「私の大事なものを奪わないで!!」
と。
泣くことでしか自分を表現できなかった。
「私を特別扱いして!!」
「私のこと可愛がって!!」
私が他者との関係を築けなかったり、上手く距離を取れなかったりするのは
自分以外の他人は、自分の大事なものを奪い壊していく恐怖の存在として認識しているからだと、やっと分かった。
いつしか他人だけでなく、自分さえも自分の大事なものを奪ったり壊したりする恐怖の存在となっていて、私は怯えながら生きていたことに、やっと気がついた。
可愛がってあげられなくてごめん。
君が憎いんじゃない。
君が妹だって分からなかった。
自分が飢えすぎて
可愛がり方も愛し方も分からなかった。
顔に傷が残らなくてよかった。
今はとても愛してるよ。