chiroの巡るごはん 163
一昨日の朝ごはん
作りすぎて、夫が少し残してしまった。
実は私、夫が飯を残すのがすっっっげぇ嫌だったんだ。
(実は って話でもないな(笑))
もっと言うと、夫が残したものを自分が食べることになるのが嫌。
夫のことが気持ち悪かったり、他人が箸をつけたものを食べることに嫌悪感があるわけではない。
夫が残したものを自分が食べるのが、残飯処理係みたいで嫌だったから。
残飯食わされてる = 大事にされていない
という思いもあったから。
今見ると、凄い理由だな。
「残飯食ってくれ」って頼まれたわけでもないのにw
それで最初の頃は、私も自分の本音がちゃんと分かっていなかったのもあって、「毎日何時間も台所に立って作っているのに、それを簡単に残されると腹が立つ!」と言って夫を責めてしまっていた。
それ以降、夫はどうしたかと言うと
ごはんを見て量が多いと思うと、顔を歪めるようになりました。
食べたくないもの、美味しくないものを見ると顔を歪めるようになりました。
自分の意見を、口で言わなくなりました。
その代わり、嫌な顔をするようになりました。
それがまためちゃくちゃ嫌で、
「言いたいことがあるなら口で言ってよ!言わないくせに顔に出して察してもらおうとするなんて鬱陶しい!!」と、またまた夫を責めまくり。
夫の口を封じたのは自分なのにねw
それで、夫にごはんを残されるのが嫌な理由を「頑張って作ったものを残されると腹が立つ」と誤解したまま、2~3年の時が経ち、ふと思った。
「自分が夫にやっていることは、何かがおかしい」 と。
それから夫にお願いした。
「ごはんの量が多い時はそう言って欲しい。私はきみじゃないから、顔に出されても何が言いたいのか分からない。嫌な思いをするだけだから、言いたいことがあるなら口に出して聞かせて欲しい。ごはんを残しても、私は怒らないから。残したい時はそう言って欲しい。」 と。
夫は「残されると腹が立つ!」と言われたことに対しての不満を漏らしてから、私の頼みをOKしてくれた。
その後夫は
ごはんを見て量が多いと思うと、顔を歪めます。
食べたくないもの、美味しくないものを見ると顔を歪めます。
自分の意見を、口に出しません。
その代わり、全部顔に出ます。
何も変わっとらんやんけーーー!!
と、またまた夫に対してキレるキレる。
その度に夫は、
「残すとまた文句を言われると思った。」
「残して責められるのが嫌だった。」
と言う。
だから残しても怒らんと言ってるだろーーー!!(もう怒ってる)
そんなことが、何度も何度も起こった。
さすがにうんざりしていた。
そして今回の朝ごはんも、量を見てあからさまに顔を歪める。
それに対して、イラッとし……………………たけれど、ふと思い当たるところがあった。
夫は、「勝手に思い込んで、勝手にネガティブな印象を作り上げて傷ついている」だけだ。
そして私が、夫にそれをやらせているんだ。
その時、記憶が急にフラッシュバックした。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
私が、小学生だった頃。
私は、人並みにごはんが食べられない子供だった。
学校の給食も、みんなと同じ量を注がれたらとても食べきれなかった。
なので、給食時間に食べきれなかったものは、残飯として残してた。
それが“悪”だと、私は皆から責められた。
「給食を残すのは悪いことだ」と。
「世界には、ごはんが食べたくても食べられない子供たちがたくさんいるんだ」と。
クラスのみんな、担任の先生、みんなから一斉に責められた。
そして私は、給食の時間に給食が食べきれないと、そのまま給食を食べ続けさせられるようになった。
昼の休憩時間になっても。
掃除の時間になり、皆が箒や雑巾を振り回す中でも。
五時間目の授業が始まっても。
私は給食を食べ終わるまで、ずっと食べ続けさせられた。
皆が授業に集中している間、私だけ給食を食べ続けさせられていた。
涙が出そうになるほど屈辱だった。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
その時の記憶や感情が一気に流れ込んできて、やっと私は、「夫の食べ残しを食べることが、残飯を食べさせられているようで嫌」と思っている理由を理解した。
憎かった。
すげぇ憎かった。
クラスのやつらも、食べ終わるまで食べ続けさせやがった先生も。
殺してやりたいほど憎かった。
それなのに
「みんなと同じ量を食べきれない自分が悪い」と思ってた。
違う
自分が悪いんじゃない
クラスで一番チビで体の小さい私が
クラスで一番背の高い男子と同じ量が食べられるわけがないだろ!
間違ってるのはみんなだ
間違ってるのは先生だ!
それをずっと我慢してて
埃が舞う汚ったねぇ教室の中で給食を食べ続けさせられた。
許さない
絶対に許さない!!
私はあの時のこと、めちゃくちゃ恨んでて
平気でごはんを残そうとする夫に復讐してた。
その時自分が何をしていたのか理解した。
私が夫にしていたことは
あいつらと、同じだった。
私は、その時の出来事を夫に話した。
給食時間にひでぇ扱いを受けたこと。
それが元で暴走してしまったこと。
これまで自分のやってきたこと、初めて夫に「ごめん」と謝った。
夫が初めて、私の話に耳を傾けてくれた。
ような気がする。
それから夫は、改めて私に 「飯の量が多い時は言う。少なくしてほしい時は予め言うようにする。」 と約束してくれた。
そして、これまでごはんの量が多い時があったことも、 「悪意があったわけじゃないことは分かってる。chiroはあまり夜飯食わないから、朝は腹が減っているんだろうしな。」 と言ってくれた。
飯の量が多いのは、自分の腹が減っているからだとバレていた。
分かっていて今まで付き合ってくれていた夫に、感謝。
昼ごはん 人参スープと、朝に夫が残したもの
自分の気持ちを理解して、夫に話したその日から、私は夫が残したものを食べてもいいと思えるようになった。
夫は、「食べたくなかったら捨ててもいい」と言ってくれていた。
でも私は、食べ物を捨てるのは嫌いだ。
「夫の残したものは食べたくない、でも捨てたくない」ものだから、夫の残したものはそのまま夫の夜ごはんに出していた。(自分が残したものは自分が食えと思っていた。)
それが嫌で夫の機嫌も悪かったというわけだ。
自分はただ
自分に気持ちを理解してほしかっただけだった。
夫の残したものを本気で食べたくないわけじゃなかったから
気持ちを理解してやるだけで、食べられなかったものが食べられるようになった。
本当、物事一つ見ても
いちいち「原因」があるから、「ラクに生きる」って大変かもしれない(笑)
でも、ラクに生きられるようになれれば
これほど自由で楽しい世界はないかもしれない。