今日もどこかで生きている

生まれてきてよかったと思える人生を。

体が動かない。

誰かがしゃべっているけど声はくぐもっていて

よく聴こえなくて。

指一本動かすのも億劫で

そもそもこの意識に肉体があるかどうかも分からなくて。

夢の中では全ての動きがスローであるように

私だけが時間の外側にいるみたいだ。


ああだめだ

何も考えられない。

思考の重たさで潰れそう。


私は

私は

石。

そうだろう?


誰かがそう呼んだんだ。

私はここで

ずっとこうしているのだと。


ああもしも

生と死の輪廻から逃れられない運命に私も在るなら

どんなに鈍くてもいい

ここから動くことを許してくれ。


どうか望ませてくれ。

生まれ変わることができるなら

あの鹿のように

あの鳥のように

私はどこへでもいこう。