今日もどこかで生きている

生まれてきてよかったと思える人生を。

今日もSNSのどこかでお会いしましょう。

一人ひとりに心をこめて接客するって、疲れることだと思ってた

スーパーでレジをしていると

たくさんのお客さんがレジに来て、私と関わることになる。

私はその場から動かずに

お客さんと商品だけが流動する。

一日4時間の間に何十、何百の人間が私の前に来て、過ぎ去っていくのを

とても不思議な感覚で見ていた。


私は一つ、思うことがあった。

私には目を合わせられないお客さんがいる。

特定の誰かではなく、似た特徴を持つ人たち。

そのお客さんは真っ直ぐ私の目を見て

私を見ているのが分かる。

私は思わず目をそらす。

それはいつも私から

いつも私から目をそらしてしまう。


目を合わせられるお客さんもいる。

特定の誰かではなく、似た特徴を持つ人たち。

そのお客さんはどこか弱そうな雰囲気で

自分に自信がなさそうで

私はお客さんの目を真っ直ぐ見て

お客さんは思わず目をそらす。

それはいつもお客さんから

いつもお客さんから目をそらす。



気づいたんだよね。

私、自分に自信がありそうで

堂々と目を合わせてくる人に対しては弱気になっ

自分に自信がなさそうで

目を合わせてもそらしてしまう人に対しては強気な態度に出る、人を見て態度を変える人間だってこと。


頭殴られたようだった。

「やべー!私めっちゃクズじゃん!!」

バイト中に頭抱えた。

(仕事中に何やってんの。)


私、自分のクズさをピンポイントで貫いてしまって大ダメージ喰らったけど

それでも自分のこと嫌いになれない。

人間くさいなぁって思う。

でもこのままクズポイントを放置するのも嫌で

心入れ変えることにした。


私、人を見た目で判断しないことにする。

お客さんが堂々としていようと弱腰だろうと

私は私のサービスをする。


それからサービスに一人ひとり心をこめた。

誰であろうとちゃんと目を見た。

思わず目をそらしたくなる人がきても、そらさないようグッと堪えた。

アイコンタクトめっちゃした。

おばあちゃんとか赤ちゃん連れた女の人とかにはちょっと過剰にサービスしたかもしれない。

(確認しすぎたりサッカー台に会計済の商品を運んだり)

そうしたらそうしたら

意外なことが分かった。


私、一人ひとりに心をこめて接客するって、疲れることだと思ってた。

疲れるからレジに来る人全員に心のこもったサービスをしていられない。

そう思ってた。

でも何かがおかしい。

私、心をこめてサービスすればするほど目が覚めて

体が軽くなって

心が軽くなって

どんな人も怖くなくなって

癒やされていく。


勘違いしていた。

心をこめてサービスをするって

自分の心を削って相手に尽くすことだと思ってた。

本当は逆で

心をこめてサービスすればするほど

相手も心を削ってくれて私にサービスしてくれるんだ。

だから私、癒やされてくんだ。


私、ケチだった。

自分ばっかり身を削り、心を削り

「なんで私ばっかり削らなきゃいけないの!?」

って思ってた。

本当は、みんなも削ってくれていたんだね。

やっと分かった

ありがとう。


私、今日もスーパーのバイトにいく。

心を込めてサービスしてくる。